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Rediscover project
CACLのRediscover projectは、従来なら廃棄される可能性のあった規格外となった伝統⼯芸品や震災でうまれた陶磁器⽚の廃材に新たな価値を⾒出し、九⾕焼や輪島塗などの異なる⼯芸を融合させることで、新しい表現を追求していきます。
「迷宮からの招待 −不条理と喪失の記憶について−」に出展
01/15/2025 → 03/30/2025
金沢
石川県金沢市のASTER Curator Museumにて開催中の「迷宮からの招待 −不条理と喪失の記憶について−」にRediscover project が出展しています。
『 迷宮からの招待 』
能登半島地震の一報から1年が過ぎた。
2024年元日、日常に唐突に現れる不条理を私たちは目撃した。昨日が今日に変わるように、夜眠り朝目覚めるように、出かけて行った人が帰ってくるように、あたりまえの日常の連続を断ち切る不条理を私たちは避けることができない。いつも。
この展覧会では、ルーツの異なるアーティストたちが、現実に起こった不条理と喪失の記憶について作品を展開する。本展は2024年10月に東京のMikke Galleryで開催された展覧会「迷宮への介入」のアーティストたちが、能登半島地震に思いを寄せる形で新たに再編集したものだ。
不条理に翻弄される市井の⼈々の姿を彫刻や絵画で表現するアーティスト、安井鷹之介。彼は東日本大震災で津波の被害を受けた宮城県石巻市雄勝町を取材し、海とともに生きる人々の真摯で賢明な姿を作品に映しとってきた。
家族の遺品や思い出の品のテクスチャーを収集し、まるで記憶を標本するように作品を作り続ける池⽥杏莉は今回、能登の街を歩き、地元の方々から震災の記憶を取材して新しい作品を作り上げた。
元解放軍⽂化団員の⼥性ソプラノ歌⼿が愛国歌を歌う映像を用いたYao qingmeiの映像作品は一見、喪失や不条理とは無縁に見えるが、映像はしばらくすると途中で遮断され最初に戻ってしまう。どれだけ歌っても途切れてしまう歌手の姿は、見るものそれぞれの心にある哀切や、不条理の記憶とリンクすることだろう。
会場では能登半島地震の被災地で割れた九⾕焼などを収集し企画するRediscover project からの作品も紹介されている。
アーティストたちが紡ぐ物語はまるで迷宮のように交錯するのだが、鑑賞を進めるごとにその物語の登場人物が自分自身の姿と重なっていくことだろう。誰もが心のうちに抱える哀切がほかの誰かにも繋がっているように、私たちは他者と無関係でいることはできないのだから。
1/1 沓名美和
展覧会概要
迷宮からの招待 −不条理と喪失の記憶について−
会期
2025年1月15日(水)〜2025年3月30日(日)
会場
ASTER Curator Museum
石川県金沢市問屋町1丁目99
OPEN 11:00-18:00 休館 / 月曜日・火曜日
入場料|500円(税込) / 学生無料(学生証提示)
展示作家
安井鷹之介/池田杏莉/Yao Qingmei/Rediscover project