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金沢21世紀美術館でのパフォーマンスにCACLの輪島塗職人・慶塚英信が登場 オトボン・ンカンガとの共同制作プロジェクト《シェイプド・バイ・メニー》の一環として
2025.11.20
金沢21世紀美術館で開催中の展覧会『オトボン・ンカンガ シェイプド・バイ・メニー』にて、11月8日(土)に行われたパフォーマンスプログラムに、CACLの輪島塗職人・慶塚英信が登場いたしました。
輪島塗の技法を使い、慶塚が作り手の一人として参加したオトボン・ンカンガの新作《シェイプド・バイ・メニー》を能楽狂言師・炭光太郎氏とともに担ぎ、作品に込めた思いをしたためた手紙を読み上げながら、展示会場内をねり歩きました。
《シェイプド・バイ・メニー》について
《シェイプド・バイ・メニー》は、昨年夏に作家が石川県に滞在し、県内の多様な素材や工芸技術をリサーチした成果として制作されたもの。オトボン・ンカンガによるデザインをもとに、輪島塗のほか、山中漆器や珠洲焼、能登上布など、県内のさまざまな伝統技術と素材を融合させた杖(スティック)状の作品です。
輪島塗の部分においては、能登半島地震で自宅を失った慶塚本人の体験から、喪失からの再生を願って制作にのぞんだと言います。浅布や珪藻土で崩れた壁の記憶を、紅殻や黒の漆が火の痕跡を、白は静けさを、若葉色は希望を象徴しています。能登への関心と復興への後押しにつながることの願いを込めた作品となりました。

慶塚英信コメント
『オトボン・ンカンガ シェイプド・バイ・メニー』にて、パフォーマンスに参加いたしました。担当部分の作品への想いを原稿にまとめ、当日まで繰り返し練習を重ねて臨みました。共演は能楽狂言師・炭光太郎さん。確かなリードに大変助けられ、心強い舞台となりました。本番では練習時と担ぐ向きや動きが異なり、緊張もあって少し早口になる場面もあり、自己採点は30点です。それでも多くの方の前で表現できたことは、とても貴重な経験となりました。今回の経験を励みに、今後も作品づくりや活動に活かしてまいります。

慶塚英信プロフィール

加賀蒔絵師・初代野村大仙に師事し、漆の造形から作品を生み出すことを志して金沢美術工芸大学漆芸専攻の聴講生を修了。27歳の結婚を機に輪島へ移り、輪島塗工房にて蒔絵や日常使いの器の制作に携わる。自宅工房では蒔絵ジュエリー等の蒔絵の制作、個展・グループ展へも参加。能登半島地震を機に金沢へ移住し、奥山氏の作品への想いに共鳴してCACLでの制作に携わる
展覧会詳細
・展覧会名:オトボン・ンカンガ シェイプド・バイ・メニー
・期間:2025年9月27日(土) – 2025年11月24日(月・振)
・会場:金沢21世紀美術館 展示室13
・休場日:月曜日(ただし10月13日、10月27日、11月3日、11月24日は開場)10月14日、10月28日、11月4日
CACLについて
株式会社CACLは九⾕焼がさかんな⽯川県能美市に拠点を置く企業です。伝統工芸を継承する人手の不足と、障がいのある人の働く選択肢の狭さや低賃金という2つの課題を掛け合わせ、解決するための事業を展開。これまで、陶磁器片をつなぎ合わせたアートピースやプロダクトの作を行ってまいりました。2024年の能登半島地震をきっかけに「Stand with NOTO」プロジェクトを立ち上げ、復興支援の一環として、輪島塗の職人の仮設工房の設置と仕事創出に取り組んだほか、九谷焼の陶磁器片に珠洲焼片や輪島塗の技術などを加えて、より進化したアートプロジェクト「Rediscover project」も始動。能登半島地震で破損した陶磁器片からアート作品をつくり、金沢21世紀美術館「すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」に出展いたしました。今年7月には廃棄される可能性のある伝統工芸品や規格外のものの新しい価値を再定義すべく、陶磁器片などを用いたプロダクトやマテリアルの探求・制作をするための実験的なブランドとして「KAKERA」を設立。パルファム ジバンシイとのコラボレーションを実施したほか、LIXIL、永山祐子建築設計との3社で能登の伝統的風景を未来へと継承していく共同プロジェクトを発足しています。
会社概要
社名:株式会社CACL
公式サイト:https://cacl.jp/
所在地:〒923-1245 石川県能美市辰口町リ56番地
代表者:奥山純一
設立:令和5年6月1日
Tel:0761-48-8004
