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CACL、割れた九谷焼のカケラを再生し「ぶどうの森蒸留所」に地産地消のテラゾーカウンターを制作

2025.11.10

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震災で破損した工芸品や規格外の九谷焼をアップサイクルする株式会社CACL(本社:石川県能美市、代表取締役:奥山純一)は、『株式会社ぶどうの森』の関連会社『有限会社 ぶどうの森蒸留所』(本社:石川県金沢市、代表取締役:本 昌康)が運営する「ぶどうの森蒸留所」に、九谷焼のカケラを埋め込んだテラゾーカウンターを制作しました。

 

カウンターの側面に散りばめられた五色の九谷焼の破片。研磨によって断面が現れている

 

近くで見ると多彩な九谷焼の破片がそれぞれに異なる表情を見せている

 

 

石川の伝統文化を象徴する九谷焼の破片が、廃棄されることなく、地産地消のかたちで新たな価値として生まれ変わりました。

カウンターの表面には、粉砕した絵付け前の白磁の九谷焼を骨材として練り込み、さらに五色の大きめの破片をひとつひとつ手作業で埋め込んでいます。研磨を重ねるうちに一部が削り出され、一見すると九谷焼とはわからないほど自然に混ざり合いながらも、釉薬の色や断面がユニークに表れ、味わい深い仕上がりになりました。

 

カウンターの側面に散りばめられた五色の九谷焼の破片。研磨によって断面が現れている

 

近くで見ると多彩な九谷焼の破片がそれぞれに異なる表情を見せている

 

また、本カウンターの制作には、株式会社ユウプラスと有限会社藤田佐官の協力をいただきました。設計・施工・素材のすべてを地元で完結させた、地域循環型のテラゾーカウンターです。

 

取り組みの背景

ぶどうの森蒸留所は、耕作放棄地を再生し、「MORI NO NIWA」としてサステナブルなジンづくりを行っています。CACLもまた、地域の資源や工芸を生かしながら、新しい循環と表現を探る活動を続けてきました。再生と循環を共通のテーマに掲げる両者の想いが重なり、このコラボレーションが形になりました。

この取り組みでは、震災で破損した九谷焼や規格外で市場に出せない九谷焼を再利用しています。そして、設計から施工までを地元の企業が手がけ、「地産地消の再生デザイン」を実現しました。

また、破片を新たな形に再生する試みは、震災の記憶を風化させず、しなやかに残していくためのひとつの象徴でもあります。趣のある表情を眺めながらクラフトジンを味わう時間が記憶に残る体験になれば幸いです。

 

関係者コメント

株式会社ぶどうの森 (蒸留部 部長) 池田 薫 氏より

「この度の素晴らしい協働に心より感謝申し上げます。『MORI NO NIWA』が目指すのは、耕作放棄地の再生に象徴される『土地の可能性を未来へ繋ぐこと』です。今回、CACL様との協働により、地域の伝統文化の象徴である九谷焼の『再生』という、もう一つの美しい『めぐり』が生まれました。このカウンターは、単なる設えではなく、震災からの復興の願いと地域文化への敬意を体現する、私たちの「ものがたり」の一部になりました。ここから生まれるクラフトジンと共に、この再生の物語を多くの方に伝えていきたいと強く感じています。」

 

株式会社ユウプラス 代表取締役 由田 徹 氏

「陶磁器片の使用を決めたのは、ぶどうの森蒸留所のスペースデザインのお話をいただいてすぐでした。能登半島地震以降のプロジェクトにおいて、陶磁器片は、私にとってなくてはならない素材となっています。早速、プロジェクトチームに提案したところ、直ぐに採用が決定しました。また、使用場所は人の触れるところ、目線に近いところで使うべきだとの意見を受けました。そこで今回は、カウンターと外部のベンチに使用しました。いずれも、白のビールストーンに色のある大きめの陶磁器片を散りばめることで、楽しさや親しみの持てる美しさを表現したものです。」

 

株式会社CACL 代表取締役 奥山 純一

「九谷焼の陶磁器片は一つとして同じものがなく、それぞれの形や色が美しく見えるよう、深さや角度を調整しながら埋め込んでいます。わずかな違いで仕上がりの印象が変わるので、その表情を楽しんでいただけたらと思います。

今回のように陶磁器片を使ったテラゾー仕上げは、石川県内では初めての試みです。今後は地産地消の新しいかたちとして、少しずつ広げていけたらと思います。廃棄されていたものが再び輝く姿を、多くの方に見ていただけたらうれしいです。」

 

会社概要・お問い合わせ先

株式会社CACL

所在地:〒923-1245 石川県能美市辰口町リ56番地
代表者:代表取締役 奥山純一
事業内容:工芸品や規格外品のアップサイクルによるプロダクト・マテリアル事業、表現活動事業、障害福祉事業
URL:https://cacl.jp
TEL:0761-48-8004

 

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